cornflowerの読書と映画と旅と勉強の日記

思いつくままに、備忘録として

映画「怒り」

怒り

怒り

  • 発売日: 2017/04/05
  • メディア: Prime Video
怒り (上) (中公文庫)

怒り (上) (中公文庫)

吉田修 原作の「怒り」の実写化。
話題になっていたけど見てないやと思い、ふらっとAmazon Primeで視聴。

宮崎あおい渡辺謙出てたな、確か・・・、以外の前情報なし(記憶なし)で見たが、次々出てくるキャストがとりあえず、まぁ豪華。

サスペンスだと、要所要所に大物やら実力派舞台俳優を配置して、深みを持たせてーみたいなのがありがちな演出だと思うが、この作品では、話題の謙さん、話題のピエール瀧さん以外の主要キャラがみんな若手ー中堅の実力派(なので東出は出てない)。そのせいか、結構生々しくてリアルだった。

妻夫木はしっかり顔は妻夫木なのだが、身体からは独特なゲイの色気がプンプンしていて・・・、綾野剛に関しては、もはや綾野剛っぽくなく、ただただ脆そうで儚げ。この人の寂しさはどこからきてるんだろう?・・・その疑問は最後に回収されてまた切ない。

あおいちゃんによる発達障害のあると思われる女の子の姿もまたリアル。「普通とは違う子」にホッとして癒やされる切実さって、痛いよ。ピュアで無防備で上手には生きられない女の子(あおいちゃん)と訳あり男子(マツケン)、2人の関係性には説得力がある。

森山未来もとりあえず、そこらにうじゃうじゃいるモラトリアム・バックパッカーの一人にしか見えず。始め、森山未来じゃなくて、インドあたりで見つけてきた素人さんかと思った。本当に等身大の若者(普通の人)としてのリアル感が強すぎて、いかれた殺人者にも「怒ってる」人にも見えず。
調子こいて嘘をつく人、ヘタレ、自分を正当化するために人も自分も騙す人、イライラして物・人に当た人なんて巷に溢れてるから。終盤、頑張って、「俺やばいんだぜ~人も殺したし~血も涙もないんだぜ~」と犯人感を演出しているが、言ってることは凡人的で、イマイチ犯人像と結びつかず。鬼気迫るものもなかったのは、別に俳優のせいじゃなくて設定のせいな気が・・・。とりあえず、あんたみたいなの、いっぱいいるよ?特別じゃないよ?と突っ込まずにはいられなかった。

プロファイリング的なのはテーマとしてない作品だし、まぁ別にいいんですけど。


吉田修、「悪人」も、確か終盤で興ざめした覚えがある。すごく話題になって、みんな、面白いと大盛り上がりだったが、「違う」と思って自分は納得出来なかった。
自分、あんまり、サスペンスは読むのは止めた方がいいのだろうな…

兎にも角にも見応えのある映画。登場人物たちそれぞれが愛おしくて、魅力的。色々考えないで見た方がきっといい・・・。